クロスカントリースキーの道具を買いにいきました。
道具選びだったり、持ち物・服装などについて記載していきます。
クロカンを制するものはノルウェーの冬を制す!?
「Nordmann ble født med ski på beina」
=ノルウェー人は足にスキーを履いて生まれてくる
という有名な言葉が存在します。
そんな言葉ができるくらい、ノルウェーは世界有数のスキー大国です。
冬のオリンピックでも、ノルウェー選手は大活躍していますよね。
ノルウェー人にとってスキーは、日本人の多くが想像するアルペンスキー・ダウンヒルではなく、クロスカントリースキーがメインです。
ノルウェーでは、まだよちよち歩きの小さい子から、お年寄りまで、老若男女問わずたくさんの人がクロカンを楽しみます。まさに国民的スポーツです。
クロカンコースは行ききれないくらい沢山あります。
ノルウェーの冬は、日照時間も短くて鬱々とした気持ちになりがちですが、クロカン板を履いてのんびり自然の中を歩いていると、なんとも言えない充実感があります。
ノルウェーの冬を楽しく乗り切るアクティビティとして、クロカンを始めることは、とってもおすすめです。
今回はクロカンの道具選びと、服装・装備などについての紹介です。
道具を買いに行く
ノルウェーに到着した2日後、さっそく道具を買いにいきました。
道具を揃える手段としては
スポーツ用品店、ロッペ(フリーマーケット)、Skimarked(スキーチームのお下がりの格安販売会的なもの)、FINNなどのフリマサイト、人から譲ってもらうetc…
いろいろあるようですが、私はがっつりやる気満々だったので、スポーツ用品店で新品を購入しました。
レンタルでも借りることができるので、迷っている人はレンタルからスタートでもいいかもしれません。(BUAなど)
購入した場所
クロカンを始めるにあたって、板、靴、ストックの3点を購入しました。
板は「INTERSPORT」、靴とストックは「XXL」で購入しました。
いずれも店頭で購入しています。
ウェア類は山スキーのシェルなどをそのまま使っています。
服装・装備については後述します。
INTERSPORT Norge | The Heart of Sport
XXL Sport og Villmark - Nordens største sportskjede | XXL
かかった費用、買うタイミング
私は、板(ビンディングつき)・靴・ストックを揃えて、計3,500NOK程度(今の為替だと日本円で46,000円くらい)でした。
物価の高いノルウェーの感覚だと、思ったより高くないなという印象です。
ノルウェーのスポーツ用品店は頻繁にセールをやるので、安くなっているタイミングで買うのが良いと思います。
スポーツ用品に限らずですが、ノルウェーは割引率が高いので、定価で買うのが馬鹿らしくなります。
私はちょうどクリスマスセールの時期に買いました。
夫はブラックフライデー(11月)に買っていました。
3月はシーズン終わりのセールで安くなっていますが、夫曰くブラックフライデーの方が安かったとのことです。
各道具の紹介、選び方
道具を選ぶにあたっては、スポーツ用品店の店員さんに相談しながら一緒に選んでもらいました。
クロカンには、クラシカル走法とスケーティング走法の2つの走法があり、それぞれで使う道具も違うので、どちらがやりたいのかを店員さんに伝えてから道具選びがスタートです。
私と夫はクラシカル走法用の道具を選びました。いわゆる歩くスキーです。
スケーティングの方がスピードは出るようですが、また慣れてきたらチャレンジしたいなと思っています。
クロカン板選び、特徴
まずは板選びです。
クロスカントリー用のスキー板は、アルペンの板より細く、金属のエッジがないので軽いです。
かかとは固定されないのがアルペンとの大きな違いです。
長さは身長プラス10~20㎝を選ぶことが多いようです。
店員さんに身長と体重を伝えて選んでもらいます。
夫は身長170㎝ちょいで、184㎝の板。(ロシニョール)
私は身長が153㎝と低めなのですが、大人用の板でサイズが合うものがなく、キッズサイズの板になりました。(フィッシャー)
ノルウェー人は基本的に長身で細身。
ノルウェー人女性が日本人男性より大きいこともザラなので、小さい人にはなかなか合うサイズがないのかもしれません。
ビンディング
ビンディングは夫と私で種類が違いました。
夫は赤いところを上下にして靴をはめるタイプ。
私は黄色いところを捻って靴をはめるタイプです。
最初どうやったら靴がつけ外しできるのかわからず困惑しました。
滑走面
黒くて見えにくいですが、板の滑走面中央部に滑り止め(スキン)がついています。
これがあることで、歩きやすく、後ろに蹴りだす動作が可能になります。
また、多少の上り坂は、ハの字で登らなくても滑り落ちないようになっています。
スキンがついていないものは、自分で止めワックスを買って塗ります。
このワックスを塗る動作こそクロカンらしさ!と言う方もいるようですが、もともとスキンがついているものを買ってしまう方が楽ではあると思います。
板の形状
クロカン板はこんな感じで反りが入っています。
靴選び、特徴
アルペンのスキー靴と異なり、高さがなく、柔らかいです。
ハイカットではあるものの、アルペンのスキー靴ほど、足首がしっかりロックされるわけではないので、普通の靴とあまり変わりのないフィット感です。
クロカンの靴を履いたまま、街中を歩いている人も多くいます。
車の運転も可能です。
ソール側はこんな感じ
つま先の金属部分をビンディングにはめます。
かかとはロックせずに歩くので、かかと側には特に部品はありません。
先ほど、街中も歩けると書きましたが、凍っている道の上などは滑りやすいので注意。
靴ひもの結び方
私たちの買った靴は編み上げるタイプになっています。
登山靴のように、最後は紐をひっかけるところがついています。
紐を編み上げて結んだあと、ジッパーがついているのでしめます。
靴紐がゆるみにくく、ほどけにくいようになっているようです。
ストック選び、特徴
長さ
身長マイナス20~30cmを選ぶことが多いそうです。
持った時に脇と同じくらいの高さとなり、アルペンと比べると長めです。
クロカンはストックで雪面をしっかり押すことで推進力をつけるため、この長さになっているようです。
体を支える補助的な使い方なら、普段のアルペンのストックでも問題ないのでしょうが、やはり長い方が、効率的に雪面を押すことができるので購入することをお勧めします。
持ち方
アルペンのストックのようなループではなく、親指を出せるようになっています。
こうなっていることで、ストックを常にギュッと握っていなくても雪面が押せるようになっています。(説明しにくい…)
左右が決まっていますので、確認してからつけます。
ストックのバスケット、先端
リングやシャフトの形状はメーカーによって違うようですが、私たちの買ったものはこんな感じです。
基本的に圧雪されたコースを進むので、アルペンや、冬山用のストックのような大きいバスケットではありません。先端は尖っています。
クロカン中の服装など
服装
私たち夫婦は山スキーに行くときと大体同じように、上下ハードシェルを羽織っています。
しかしながら、こちらのローカルの皆様は結構軽装で軽めのジャケットを羽織っていることが多いです。
慣れてきて結構スピードが出せるようになってくると、体も温まります。
雪上のランニングのようなイメージなので、慣れて来たら厚着はしなくていいのかもしれません。
気温も低いので、転んで雪がついてびしょびしょになるということもノルウェーなら少ないです。
服装に関しても悩んだら店員さんに相談するのが一番だと思います。
手袋(グローブ)はつけていた方がいいです。
防寒もそうですし、寒くて乾燥しているところで板を持つと手を切ってしまったりするので、板を扱う時も手袋をつけることをおすすめします。
(エッジがないので大丈夫かなー、と思っていたのですが、私は素手で板を持つといつも手がピリピリします)
私は登山用に買った手袋をつけています。
あまり分厚いと動いている時に暑いので、スキー用の綿の入ったグローブはイマイチかもしれません。
休憩中や、風が吹いて寒いとき用に、上から羽織れるジャケットがあると安心です。
私はダウンを1枚携行しています。
持ち物
ローカルの方々は小さなウェストポーチやリュックで歩いていることが多いです。
ランニングと同じような装備なのかなと思います。
登山や山スキーのように遭難しそうなシビアな状況に置かれることは少ないと思いますが、私たちはまだそこまで荷物を減らすのが不安なので、以下のようなものは常に携行しています。
・防寒具(ダウン、厚めの手袋など)
・救急セット(ばんそうこう、常備薬)
・ヘッドライト
・行動食・非常食(パン、チョコレートなど)
・温かい飲み物(お湯、ココアなど)
まだスピードを重視するような段階でもないので、多少の荷物は気になっていませんが、慣れて来たら最適化していきたいと思います。
まとめ
ノルウェーに住む、または、冬のノルウェーに遊びにくるならクロスカントリースキーはとってもおすすめなアクティビティです。
我が家は人の少ないコースが好きなので遠出が多めですが、オスロ近郊に電車でアクセスできるコースもたくさんあります。
一式揃えるとお金も多少かかりますが、早く買って、たくさん滑って、さっさと投資回収してしまいましょう。
長くて暗いノルウェーの冬を楽しく乗り切りるための価値ある投資だと思います♪
クロカンデビューの日の様子はこちら
トロムソでもクロカンしました