しろくま野遊びラボ

ノルウェーオスロ在住 自然豊かな雪国でのアウトドア記録

Vikerfjell Svarttjernskollenにて山スキー

ノルウェーに来てから初めての山スキーでした。

 

概要

・日程:2023年1月22日

・天気:晴れ

・アクセス:オスロから車で90分

・駐車場:ゲート手前に駐車

・通行料:100NOK

 

・距離:6.05km

・標高差:370m

 

今回のルート

Googlemap

駐車位置はこのあたり

goo.gl

 

諦めた山スキーに希望の光

ノルウェーでは厳冬期の山スキーは諦めて、クロカンを楽しもうと思っていた我が家。

 

理由は以下の通り。

・地形がなだらかor急斜面の2択で、スキーに適した斜面がなかなかない

・森林限界が低いので少し登っただけでオープンバーンに到達してしまう(雪崩が怖い)

・ツリーランできる距離も短い

・針葉樹ばかり生えていてツリーホールも大きいし枝が邪魔

・厳冬期も滑れそうなエリアはあるものの、オスロからは遠すぎる

 

こんな状況なので、山スキーは雪の安定する春まで待ちますか。となっていたわけです。

 

そんな中、「ここならいいかも!」と夫に言われて地図を眺めると確かにいいかんじの等高線。

 

クロカン中に斜面と周辺状況を偵察すると、やはり山スキーのトレースやシュプールをいくつか発見してテンションが上がりました。

 

日本ならYAMAPやヤマレコで記録を探しやすいですし、夏山シーズンに斜面の偵察を済ませていることも多いけれど、異国で全てが初見だとなかなか大変です。

山スキーのルート本はノルウェーにもありますが、オスロに近いところのルート紹介はなかなか無いんですよね。

 

夫よ見つけてくれてありがとう。

 

いざ行かんSvarttjernskollen

出発

VikerkoiaのDNTヒュッテに泊まり、のんびり準備して出発。

ヒュッテからスタート地点までは車で5分くらいです。

ゲートの手前に駐車します。

(駐車位置はGooglemap参照、Vikerkoiaのヒュッテの先です)

 

新潟ではあまりなかったことなのですが、車に置いていた日焼け止めとプロテクトJ1が一晩でカッチカチに凍っていました。

寒いところでは液体類を車に残してはいけません…。以後気をつけねば。

ゲート手前に駐車

凍っていて使い物になりませんでした

プロテクトJ1のすばらしさは後述しております。

 

さて、本日はのんびり11時スタート。

日の出が9時くらいなので、クロカンも山スキーもこのくらいの時間にスタートしている人がいっぱいいます。

この時期は気温も太陽高度も低いので、昇温や日射で雪が痛むことが少なく、遅い時間に出ても罪悪感がありません。

 

駐車場からすぐのところにトレースが付いていて、ラッセルなし、標高差400m弱の楽チン登山です。

しかもこのトレース、慣れている人が樹間の広いところをいい感じに歩いてくれた様子。GPSにログが取れて嬉しい。

ノルウェイの森

 

トレースをお借りしながら針葉樹林帯を緩やかに登り、標高900m頃で森林限界を越えます。

 

風でたたかれているところにはシュカブラが。

太陽が低いと陰影がはっきりして綺麗です。

 

上の方はややパックされているけど、滑りは良さそう?

森林限界を超える

シュカブラ

登頂

出発から1時間ちょっとでSvarttjernskollenの山頂到着。

山頂には特に何も書いていませんが標識らしきものが立っています。

昨日クロカンで行ったGyranfisenも見えて、360度の大展望でした。

山頂より

滑ります

早めに準備してドロップ。

山頂付近は風でたたかれてパック気味。

樹林帯手前のあたりは柔らかい雪が溜まっていて、一番気持ちいい滑りだったかなと思います。

樹林帯もやや木がうるさいところはあるものの、雪はさらさらで良いツリーランでした。 

 

斜度は最大でも20度程度でしょうか。

ゆるいけれど、ノルウェーでの山スキー1回目にしては満足です。

夫は今シーズン初めての山スキー、私は出国直前に滑った立山以来、2か月弱ぶりの山スキーでした。

 

山スキー初心者にもよさそうなお手軽コース

登りのキックターンが必要になるような場所は数ヶ所で、あとは直登でOKなくらいの斜度です。

眺めも良いし、短いのでデビュー戦とかにもいいかもしれません。

上部は雪質次第で、カチカチになると歩きにくいかもしれませんが、短いながらもツリーランもまずまず楽しめる感じなので、ここのツリーランを何本か回す感じでも楽しそうです。

 

ちなみにすれ違ったご夫婦が、「昨日はここを滑ったあと、Gyranfisenを登り返して滑ったよ」と教えてくれました。

確かに、条件がよければGyranfisen、Vikerfjellなど近くの山とつなげて滑っても楽しそうですね。

 

下山後は震えながら焚火

下山後は取り付き近くの林の中で焚き火をしました。

ノルウェーは、4月~9月を除いて、直火での焚き火がOKなので、いつかやりたいなと思っていたのです。

 

ソーセージ焼いてみようよ〜!ということで、ソーセージを買って、着火剤もザックに入れて持って行って、倒木を適当に切って集めていざ開始。

 

しかし初めての雪の中の焚き火は大苦戦!

なかなか熾火にならず苦労しました。

 

火おこしに1時間半以上格闘したので、火が安定してソーセージにありつけた頃には、体がキンキンに冷えてしまい、震えながら車に帰りました。

マイナス15度の中、山スキー終わりの格好でやることではなかったです。

このソーセージ、チーズが入っていておいしかったです

色々と反省点はあるので次回はうまくやろうと思います。

うまくいったら雪中焚き火Tipsを公開します。

 

今後の山スキー

春先になって雪が安定したら、スキーの機動力を活かしてロングルートに出掛けたいところですが、こちらの地形を考えると、テレマークの方が合っているのでは?と思ったりします。

上の方がひたすらなだらかな場合が多いので、普通のスキーだとシールを張り替えたり、ビンディングを直す時間が面倒かなと。

 

春先のツアーシーズンに向けて早めに買って練習した方がいいかもね、と夫と協議中。

買う日は近いかもしれません。

 

おまけ:ノルウェーでの山スキーの呼び方

ちなみに、こちらでの山スキーの呼び方は、Randonee(ランドネ)とか、Toppturski(トップツアー)と呼ぶことが多いようです。

バックカントリーでも通じますが、上記の方が伝わるような気がします。

 

リフトでスキー場を滑るスキーは「ダウンヒル」と言いますね。

ノルウェーでスキーをする、というと、クロスカントリースキーの方が代表的なので、そのような呼び方で定着しているでしょうか。

 

おまけ2:プロテクトJ1、いいですよ

私の足は、登山靴、スキー靴、スニーカー、パンプス、その他あらゆる靴で靴擦れします。

数年前、沢登り中の藪漕ぎ中の捻挫がきっかけで有痛性外頸骨を発症し、くるぶしの近くの骨が突出しているので、擦れるんですよね。

さらに春夏は汗をかくのもあり、かかとなども靴擦れがひどくて…。

 

長年靴擦れと戦っていたのですが、トレランなどをやる山の先輩がプロテクトJ1を勧めて下さり、本当に救われました。

以前からTJAR戦士御用達のクリームであることは知っていたのですが、ワセリンなどよりは圧倒的に高いのもあり、半信半疑で手が出なかったのですが、すっかり必需品となりました。

 

骨が出ているのは変わらないので、靴の中で若干擦れているのは相変わらず感じるのですが、これを塗っていると痛くならないんです。

クリームが摩擦を軽減してくれて、傷ができるほど擦れなくなるようです。

 

最近減ってきたので、日本に一時帰国中のお友達に大容量版(150ml)を買ってきてもらうようにお願いしました。靴擦れでお困りな方はぜひ試してみてください。