ひと夏を過ごして出会った&学んだノルウェーの森・山の虫事情について記録しておきます。
アウトドア好きとしては致命的ですが私は大の虫嫌いなので、写真は載せないようにしています。
気になる方はご自身で検索してください。
- 参考サイト
- 蚊(Myggstikk)・ブヨ
- ダニ(flått、Skogflått)
- シカヒツジシラミバエ(Hjortelusflue)
- 湖などの寄生虫(Svømmekløe、Cercariedermatitt)
参考サイト
Helsenorge
言わずと知れた病院の予約をしたり電子処方箋などを見るときなどに使うノルウェーの健康情報ポータルです。
健康関連情報の検索なども出来て、疾患の説明などを見ることもできます。
虫、毒キノコ、行者ニンニクとスズランの間違いなど、ちょこちょこ気になるものも載っているのでチェックしています。
自分の経験プラスHelsenorgeの情報を加えながら今回の記事を書いています。
蚊(Myggstikk)・ブヨ
時期や発生状況など
オスロで初めて蚊を見たのは6月初旬。
蚊もブヨも、刺されたときは日本と同じくらいかそれ以上に腫れましたが、あまり長引かずに数日で腫れが引く印象でした。
同じような種類の虫でも毒性が違うので、腫れやかゆみの程度が日本と違うのかなと思います。
蚊はオスロ近郊の低山の森にも多くいますが、厄介だったのはハルダンゲルヴィッダを歩いたときに高原の湿地帯で大量発生していた蚊。
高原上は大きな水たまりがいっぱいあるようなものなので、蚊が大量発生するにはいい条件。
そして歩いているのが自分だけで他に標的がいないので集中攻撃されたようでした。
夏のシベリアやアラスカなんかでも同じように蚊の大量発生で蚊柱が立つなんて話もあるので、同じような状況が起きていたのかなと思います。
ものの数分の間に服の上から30か所近く刺されて衝撃的でした。
私の家の近くではあまり見ません。
日本よりは日常生活の中で見る機会は少ないかなというのが個人的な印象でした。
虫よけについて
虫よけはノルウェーでも日本と同様にディートが含まれたものが効くとされています。
日本ではディート10%以下のものは生後6か月から、30%は12歳から、などと推奨されていますが、ノルウェーでは3歳未満の子供には推奨されないとのことです。
日本の基準で認可されているのは30%までですが、ノルウェーでは50%配合のものも売られています。
蚊に効く虫よけ(Myggmiddel)、蚊取り線香(Myggspiralar)、蚊帳(Myggnett)はスーパー、Apotek、Clasolsonなどのホームセンター、XXLなどのスポーツ用品店などで見かけます。
ダニ(flått、Skogflått)
時期や発生状況など
ダニはノルウェーの森でもよくいるそうで、知人でも何人か噛まれた経験のある人がいます。
春先が一番多いそうです。
ライム病や、脳炎などのリスクもあるので、肌を出さない、藪っぽいところを歩かない、など、噛まれないように予防することがまず大事です。
ちょっと怪しいな…という感じの茂みに入ってしまった時は、帰宅後、シャワー前に噛まれていないかを夫とチェックするようにしています。
噛まれた後の対処
日本とノルウェーでは噛まれたあとの対処に違いがあるようで、日本だと、綺麗に取り除くために病院を受診して専用のピンセットなどで取ってもらう方が良いとされていますが、ノルウェーは「ピンセットやダニリムーバーで取り除く」というだけの記載になっています。
自分で取るとダニの体の一部が食い込んだまま残ってしまうことがあってよくないと思っていましたが、それに関しても、ノルウェーでは体の一部が皮膚に残るの自体は問題ない。とされているようです。
「24時間以内に除去すれば感染症の可能性は下がる」との記載がありますが、腫れが広がったり、頭痛・無気力・顔面神経麻痺などの症状が出る場合は病院を受診することが推奨されています。
脳炎のワクチンもあります。(私はノルウェー渡航前に日本で接種してきました)
蚊と同じくディートの入った虫よけは効果があります。
シカヒツジシラミバエ(Hjortelusflue)
時期や発生状況など
個人的にノルウェーで出会った虫の中で一番気持ち悪いと思っているやつです。
ノルウェーの中でも南東部に生息しているらしく、日本では見たことがありません。
秋(8~10月)頃に出てきて、体にひっついてなかなか取れない虫です。
羽が付いていて飛んでくるのですが足が結構丈夫で、服や髪の毛につくとはらっても落ちないので指でつまんで取らないといけません。
そしてしつこくて服の中にも入り込みます。
基本的には鹿・ヘラジカに寄生・吸血することが多いそうですが、まれに人間からも吸血してかゆみが出るとのことなので、見つけたら早めに取り除く方が良さそうです。
対策・対処
虫よけが効かない虫なので、対処法がなかなかありませんが、白い服に反応しやすいらしいので白い服は避けた方が良さそうです。
蚊帳をつけたり、ウインドブレーカーなどのつるつるした素材の服を羽織ったりして物理的に対策するしかないのがつらいところです。
髪についた場合には、櫛などでとかして取るのがいいとのことです。
大量発生している時期には目のこまかい櫛を持参しようと思います。
湖などの寄生虫(Svømmekløe、Cercariedermatitt)
時期や発生状況など
目には見えないものの、水遊びするときには気を付けた方が良さそうなのが寄生虫。
セルカリア皮膚炎という寄生虫が原因で起こる皮膚炎がノルウェーでも多いそうです。
湖などの淡水にいる寄生虫で、本来は鳥を宿主とするので人間に寄生することはないらしいですが、鳥と間違えて人間の体に入ってきた場合にアレルギー反応(かゆみ、発疹)が起こります。
発生場所
このサイトにセルカリア皮膚炎の発生が報告されている湖などのリストが以下のサイトで公開されています。
みんな大好きなSognsvannやBogstadvannetあたりでも報告があります。
Svømmekløe (cercariedermatitt) - FHI
対処
大体は放っておけば治ることが多いそうですが、かゆみや発疹がひどい場合は病院で抗アレルギー薬やかゆみ止めが処方されるそうです。
以上です!
自然豊かなノルウェーだからこそ虫も沢山います。
虫よけも色々試しながらうまく付き合っていこうと思います。