私にとってはノルウェーでの初めての春を迎えています。
急に暖かくなったオスロでは一気に草木が芽吹き、どこを歩いても新緑が美しいです。
さて、春といえば、私が毎年楽しみにしているのは山菜採り!
日本では数年していたものの、ノルウェーでは初めての山菜採りなので試行錯誤中。
ようやくノルウェーで何が採れるのか分かるようになってきました。
今回はどんな山菜が採れるのか、場所探しなどついて書きたいと思います。
それぞれの山菜についての詳しい情報(採るときのコツ、調理方法など)は別途のんびり書こうと思います。
ノルウェーで見つけた美味しい山菜・野草(2023年5月半ば時点)
今のところ見つけることのできたものは以下の5種類。
食べれる草はこれに限らずごまんとあるのですが、実際に美味しいと感じるものはこのあたりかなという個人的な印象です。
ツクシは個人的にあまり好きではないので採っていませんが、他のものは日本と変わらず美味しかったです。
・行者ニンニク
・ワラビ
・コゴミ
・イワミツバ
・ツクシ
どこかで採れそうな山菜
今のところ見つけていないものの、採れそうな山菜です。
フキに関してはもともと自生していたわけではなくアジアから持ち込まれた在来種なので、繁殖しているところは日本よりは少ないようです。
フキの花の蕾であるフキノトウは雪解けとともに出てくるので、今年はもう採れる場所は少ないと思います。
フキの葉は目立つので、夏場に見つけたら来年用にマーキングしておこうと思っています。
・フキ
・フキノトウ
・クレソン
・ヨモギ
・ゼンマイ
・イラクサ(ミヤマイラクサ=あいこではないのだと思いますが…)
ノルウェーになさそうな山菜
コシアブラは私が一番好きな山菜と言っても過言ではない山菜ですが、残念ながらヨーロッパには自生していません。タラノキも同様です。
タケノコはいわゆる日本でよく見るような大きいタケノコ(=孟宗竹)は生えていないようですが、もしかしたら根曲がり(ヒメタケ、ハチク)と呼ばれるような細いタイプはあるのかもしれません。
いずれにしてももともと自生しているものではないと思うので、生えているとしても中国から持ち込まれたものだと思います。
・コシアブラ
・タラの芽
・ウド
・タケノコ(孟宗竹)
山菜採りの場所探し:Artskartを活用
山菜やキノコの場所の情報は、ネットなどに書かれていることはほぼありません。
山の恵みは限りがあるので、共有するとしても仲間内でコッソリです。
そんな中で山菜採りの場所探しに役立つのがArtskart
ノルウェー生物多様性情報センターなる機関が運営しているサイトで、植物のマッピングがされています。
行者ニンニクが食べたい…とネットから情報探しをしていた時に出会ったサイトで紹介されていました。
Artskartはこちら
Artskartの使い方
調べたい山菜(お花やベリーなどもOK)の名前を入力すると、地図にマッピングされるシステムです。
ノルウェー語の名前、もしくは英語の学名で検索窓に入力し、出てきた場所を目安に探しに出掛けています。
サイトはノルウェー語、英語が選択できます。
好きな山菜のノルウェー語(学名)での名前は以下の通り
・行者ニンニク→Ramsløk(学名:Allium ursinum)
・ワラビ→Einstape(学名:Pteridium aquilinum)
・コゴミ→Strutseving(学名:Matteuccia struthiopteris)
採ってはいけない場所を調べる
Artskartでマッピングされている場所=採集OKな場所ではないことに注意が必要です。
自然保護区内や、人の住んでいる家のすぐ隣などで採ってはいけません。
特に自然保護区内での採集は違法なので、Artskartで保護区かどうかも事前に確認しておくのがベターです。(友人が教えてくれました)
調べる方法は、Artskart検索画面右上にあるボタン(参照画像赤丸)をクリックし、Protected areasを選択すると、網掛けが表示されます。
この赤い網掛けが自然保護区です。
その他の色の網掛けは国立公園だったり、海洋保護エリアだったり、と種類があるようですが、まだこの辺りのルールに詳しくないので、私は色のついているエリアでは採集しないようにしています。
また私有地や農場に関してはArtskartでは分かりにくいので、Googleのストリートビューで事前に確認をしています。
採れそうだなと思って行ってみたら「PRIVATE」の看板が立っていた!ということもあったりするので、実際に足を運んでみるのが一番確実です。
採集活動に関するルールなどについては、ノルウェー環境庁のサイトにも詳しく書かれています。
山菜採りの時期
雪があるうちは山菜は生えないので、探しに行くところが雪解けしているのか、または、雪解けからどのくらい日が経っているのかを考えて探しに行っています。
また、標高の高いところは雪解けも遅いので、その分、山菜が生える時期も遅いです。
今年は雪が多かったようなので、例年より山菜の出始めるタイミングは遅いのではないかと思います。
参考までに、今年はほぼ標高ゼロ地点で行者ニンニクを見つけたのが4月の終わり。
コゴミは5月初め、ワラビは5月半ばです。
ノルウェー人は山菜採りをするのか?
行者ニンニク(Ramsløk)に関しては、MENYや、Mashmannsなどの少しお高めのスーパーでも販売しています。
ネットで検索すると、レシピも出てきます。
欧州ではワイルドガーリックという呼び名で親しまれているようなので食べるのだと思いますし、採るのかなあとも思います。
対して、ワラビに関しては採るのはほぼアジア系の人のみ。
コゴミも食べる人は少なそうです。
行者ニンニクは採れる場所も限られていて、ノルウェー人も採る、食べる。
ワラビやコゴミは生えているところが多くて、ノルウェー人はあまり採らない、食べない。ということになります。
ワラビは特に洋食のレシピへのアレンジも難しいのでしょうし、アク抜きも面倒なのだろうなと思ったりします。
競合が少ないのは助かります。
キノコ採りの時期はもっと殺伐とするのだろうと想像します…。
その他、山菜採りのときの注意事項
①遭難・怪我に気を付ける
夢中になるあって地面ばかり見ていると、気が付いたら道が分からなくなったり、崖の近くや沢に落ちそうなところにいたりすることがあるのでご注意を。
②毒のあるものを間違えて採らないようにする
特に行者ニンニクとイヌサフラン・スズラン(有毒・死亡例あり)は草の形が似ているので要注意。
ノルウェーでも事故が起きているそうです。
行者ニンニクは独特のニンニク臭があるので、必ず匂いを確認しています。
③採り尽くさない
山菜は無限に生えるわけではないので、同じ場所、一つの株から大量に採ったり、根っこから採るのはご法度。
来年以降も楽しめるように、採り尽くさないのが基本です。
山菜は傷むのも早いので、自分が食べられる分だけにするのがベター。
以上、ざっくりとノルウェーでの山菜採りについてまとめてみました。
ノルウェーで食べられるおすすめの山菜がほかにもあれば教えてください!
環境庁のサイトにルール等がまとまっているので再掲します。