※写真はしばらく出てきませんが苦手な方はご注意ください。
ライチョウとのまさかの出会い
掲題の通り、スーパーでライチョウが売られていました。
発見したときは戦慄しました。
先日、トロムソの北極圏博物館にて、100年以上前、極地探検家たちはライチョウを狩猟していたという資料があり、「昔は、なんでも食べるよなあ。」とは思っていたのですが、ライチョウの狩猟は現代でも続いていたようです。
見つけた場所
ライチョウが売られているのを見つけたのは、私の中ではノルウェーの成城石井とか、伊勢丹の地下的な位置付けのMaschmanns Matmarked
普通のスーパーには置いていない野菜や調味料がたくさんあって、ハム・チーズの種類が豊富。
テンションの上がる品揃えですが、とにかく値段が高くて買う気にはならないので、普段使いのスーパーではないですが、たまに覗きにいっています。
この日も街歩き中にふらっと立ち寄って、野菜やチーズを眺めていたのですが、肉の入った冷蔵庫の下に、何か見覚えのある風貌の鳥が並んでいたのです。
羽付きで。
正直、丸鶏が売られているのを見ることも苦手なので、その羽付きの鳥は、チラっと目に入った後、「ウワァ無理だ」と思いさっさと売り場を立ち去ったのですが…。
お店を一周した後、やっぱりさっきの鳥って雷鳥だったのでは……?と、気になってしまい、もう一度、売り場に戻って商品名をGoogle翻訳で確認。
やはりRype=ライチョウとのこと。
まさか、こんなところで、ライチョウと出会うとは。
ライチョウを見れる場所といえば、私にとっては北アルプス。
北アルプスを歩くたびに、ライチョウとの出会いを心待ちにしていたのですが、あの子たちは国が違えば食べられてしまうのね…。と、今までライチョウと出会った場所を思い出し、なんとも言えない気持ちになりました。
ノルウェーのライチョウ事情
ノルウェーのライチョウ事情について気になったので調べてみました。
日本のライチョウとの違いなども含めて備忘録として書いておきたいと思います。
ノルウェーのWikipediaでは「Ryper」と書かれています。
スーパーの記載もRyperだったのかもしれません。
ノルウェーには2種類のライチョウが生息している
①lirype (学名:Lagopus lagopus)
和名では「カラフトライチョウ」
夏毛が茶色くて、日本とは違います。
②fjellrype (学名:Lagopus muta)
fjell=山なので、マウンテンライチョウといったところでしょうか。
和名だと「ライチョウ」となります。
日本に生息するライチョウは、学名で「Lagopus muta japonica」
つまりLagopus mutaの亜種。
ノルウェーで見るfjellrypeは、日本に生息するライチョウと近いということでしょうか。
確かに写真を見る感じだと、日本のライチョウと同じく、灰色の混ざった夏毛です。
ちなみにスヴァールバル諸島には、スヴァールバルライチョウという亜種がいるとのこと。
生息数
ノルウェーでのライチョウの生息数は300,000〜500,000羽だそうです。(2015年時点)
年によって増減が大きく、近年は減少傾向にあるとのこと。
参考:
Artsdatabanken - Kunnskapsbank for naturmangfold
対して、二ホンライチョウは2,000羽程度と言われています。(2000年代、信州大学の調査)
二ホンライチョウは国の天然記念物で、絶滅危惧種です。
こうやって比べて見ると、やっぱり日本のライチョウって少ないんですね。そりゃ食べるわけにはいきませんよね。
(ちなみに北海道に生息するエゾライチョウは狩猟鳥対象。これが大変に美味だそうで、生息数が減少している今も狩猟鳥指定から外されないとか…。)
分布
ノルウェー南部:1,200m~1,400m
ノルウェー西部:400m~
ノルウェー北部の海岸沿いの山:100m~
二ホンライチョウは2,200~2,400m以上の高山帯に生息しています。
やはり森林限界の低いノルウェーらしい分布です。
狩猟可能期間
狩猟可能期間が決まっていて、毎年9月10日から2月末(28日または29日)まで。
フィンマルク、トロムソ、ヌールランでは3月まで可能だそう。
ということは、冷凍じゃないものを食べることができるのは、いまの時期限定なのでしょうか…?
もしかしたらライチョウは秋〜冬の旬のご馳走なのかもしれません。
食べ方
検索するとローストや煮るレシピが出てきますね。
ノルウェーの有名乳製品メーカーTINE(日本でいう明治・森永のようなかんじでしょうか)のサイトにもライチョウ料理のレシピ紹介があるので、結構ポピュラーなのかもしれません。
これは「ライチョウのクリームソース煮」的なレシピ。
このレシピ、羽や内臓を取るところからスタートしているんです…。
やっぱり羽根付きのものを丸ごと買うのかな…?
さすがに、羽付きの鳥を買って調理するのは私は無理でした。
夫は鶏の捌き方をYoutubeで見ていましたが、家のキッチンで羽を取る工程など諸々をやってほしくないので、やっぱり買うなら、ただの肉の状態になっていてほしいです。
もしくは、誰かが調理してくれたものだったら食べてみたいです。
ジビエ自体は嫌いではないのです。
最後に売っていたときの写真です。
この手の写真が苦手な方は見ないほうがいいのかもしれません。
一応、目とかが見えないように配慮された陳列なのでしょうか…。
私も苦手なので、結構引きの撮影ですみません。
いつか食べることのできる機会があればまたレポートしたいと思います!