スタバンゲルに旅行して、リーセフィヨルドに面したKjerag(シェラグ)に登ってきました。
標高1,000mの崖の間に挟まった奇岩Kjeragboltenの上にも勇気を出して乗ってきました!
1泊2日でプレーケストーレンとシェラグの両方に登るスケジュールについては別記事にて紹介します。
Kjerag(シェラグ)概要
・日程:7月23日(日)
・天気:晴れのち曇り
・登山口の標高:640m
・山頂の標高:1,000m
・距離:11km
・累積標高:750m
アクセス
①車:スタバンゲル空港・市街よりLysebotn(登山口)まで2時間半
・駐車場:あり、400台収容可能
・駐車料金:24時間 300NOK(日本円で4000円ちょい。高い…!)
②バス:夏はスタバンゲル市内中心部から高速バスが運行。790NOK
往路 7:45 スタバンゲル~10:00 シェラグ登山口
復路 16:30 シェラグ登山口~19:00 スタバンゲル
※6時間で往復可能な人向け。
③車+フェリー
LauvvikからLysebotnの港までカーフェリーが運航している。
所要時間は、夏期間運行の観光フェリーは2時間20分、通年運航の地元のボートフェリーは1時間半~2時間。
リーセフィヨルドのクルーズが楽しめるので、時間に余裕があれば片道でも使うと楽しいかも。乗れる台数が少ないので要予約。
ルート
リーセフィヨルド365のHPの紹介が標高差などわかりやすく、行程の全体像が掴みやすい
UT.noは距離が短めに記載されている
Googleマップ
登山口の駐車場
Kjeragについて
Kjerag(シェラグ、シェラーグ、イェラグ)はリーセフィヨルド沿いの崖の中でも最も高い標高の山。
フィヨルドから1,000m垂直に伸びる絶壁と、崖の間に挟まった奇岩Kjeragbolten(シェラグボルテン)が特に有名です。
ノルウェーの国立観光トレイルにも選ばれており、ノルウェー国外からの観光客も多く歩いているルートです。
Kjeragから見ることのできるリーセフィヨルドは、ノルウェー4大フィヨルドのひとつで全長42kmあります。
スタバンゲルを拠点として登られることが多いプレーケストーレンも、このリーセフィヨルド沿いにあります。
注意事項など
ルート・装備
累積標高は750m程度、距離11km、往復5~6時間程度のルートです。
有名ルートなので観光客も多いルートですが、それなりに斜度が急な岩場の登り下りがあるので登山初心者でも大丈夫!とは言いにくいルートです。
また、常に森林限界を超えていて風を遮る場所が少なく、夏でも気温が低いため雨風が強い日は低体温症になるくらいの悪条件になります。
滑りにくい登山靴、レインウェア、防寒着、食べ物・飲み物などの準備はしっかりして、あまり登山経験がない人が登るのであれば、時間に余裕を持って天気のいい日に登るのをおすすめします。
参考:
Hiking to Kjerag | Safety tips, distance, weather, Kjeragbolten
登山可能時期
11月~5月中旬は、道路が通行止めとなっているためアクセスができません。
山行記録
駐車場
駐車場に入ると、誘導係の人に駐車場所を指示してもらえます。
駐車料金は24時間で300NOK。
精算機(カード可)で先払いして、時間の記載された領収書を車のダッシュボードに置いておきます。
駐車場の近くにトイレと、カフェ(お土産屋)があります。
トイレは駐車場以降ないので注意。
まずは820mまで登る
午後から天気が崩れる予報だったので7時頃から歩き始めました。
まずは登山口から200m弱登り上げていきます。
スタートすると、さっそく階段と急な岩場の登り斜面が出てきます。
急なところは鎖がついていますが、鎖の近くが必ずしも登りやすい場所ではないので、鎖に頼りすぎず、足が安定して置けるところを選んで登っていきます。
歩き始めはガスが多く視界不良でしたがすぐに晴れてきて、登り上げたころには駐車場側に雲海が広がっていました。
100m下って再び登る
Kjeragは、ずっと登りが続くわけではなく、3回のアップダウンがあります。
100~200m程度の低山を3回登山するようなイメージです。
そのため、せっかく標高を上げたところですが、いったん下ってからまた登ります。
この下った谷の雰囲気がとてもいい感じ。
避難用シェルターを過ぎて下ったら、最後の登り
2回目の登りが終わると、避難用シェルターがあります。
緊急時のみ使用可能で、薪ストーブ・毛布などが置いてあります。
万が一、怪我や体調不良で行動不能になったときの連絡先は「113」です。
シェルターを過ぎたら再び一旦下って、最後の200mの登りです。
この辺りで羊にたくさん会いました。
平らな岩場を歩いてKjeragboltenまで
最後の登りが終わると、平らな岩場を歩いてKjeragboltenを目指します。
この岩場は違う惑星を歩いているみたいな雰囲気でした。
Kjeragboltenまでの最後の道は、崖の間の細い道を歩きます。
だんだん道の先にKjeragboltenが見えてきました。
Kjeragbolten到着、立ってみる
出発から2時間15分、おおむねコースタイム通りにKjeragboltenに到着!
実際に来るまでは、「みんな写真に写していないだけで、5mくらい下に地面あったりするんじゃないの~」なんて思っていましたが、この岩、足を滑らせたら本当に1000m落ちる場所でした(正確には984m)。
しかも、落ちた先は海ではなく岩なのでどう考えても生きて帰れません。(海でも無理でしょうが…)
乗ろうか、乗らまいか…しばらく迷って、乗りました。
乗っている最中はアドレナリンがドバドバ出ている感じで、あまり恐怖を感じなかったのですが、岩から降りて安全地帯まで戻った後、完全に腰が抜けてしまいました。
今思い出しても怖くて、おっかなくて、心臓がヒュッとします。
生きて帰りましたが寿命が縮む体験でした。
もう二度と登りません。友人や家族にもすすめません。
ちなみにノルウェー人や欧州からの観光客の人は足が長い人が多いので、ひょいっと一乗りしている人もしばしば。
この人たち怖くないのかな…と思っていたら、私と同い年くらいの女性が岩から降りた後に号泣していて、やっぱりみんな怖いよね~!と思ったりしました。
ちなみに岩の上は2人くらいは立てるスペースがあり思ったより余裕がありましたが、一番怖いのは、岩までのアプローチ。
ロープや鎖もない狭い場所を崖に沿って歩くのが本当に怖かったです。(かろうじて、ひとつだけボルトがあります)
ここは写真を撮る余裕など微塵もなかったので、Youtubeなどであがっている動画を見てみてください。(動画を見ているだけでも怖い…)
参考:
1000m垂直に伸びる絶壁
Kjeragで有名なのはKjeragboltenだけでなく、リーセフィヨルドの景色と海面から1000m垂直に伸びる絶壁です。
Kjeragboltenのある場所から眺めることができます。
滑らないように気を付けて下山
午後からお天気が下り坂の予報だったので早めに下山します。
とはいえ、急斜面は登りより下りの方が足を滑らせやすいので慎重に…。
バスの到着時間などもあり昼頃にかけて人がどんどん増えてくるので、しばしば登りの人と狭い道や鎖を譲りあうときもありました。
朝はまだ雲の下だったLysebotnの港を眺めることができました。
カフェで休憩
13時前に下山し、駐車場近くにあるカフェで休憩。
食事の提供もあるのでお昼ご飯にもいいかもしれません。
お土産も売っています。(デザインはさておき…)
眺望のいいカフェなので立ち寄るのをおすすめします。
のんびりしてからスタバンゲル空港に向かってオスロへ帰着しました。
最後に
お天気に恵まれいい1日になりました。
Kjeragboltenは一生忘れない恐怖体験になりました。
乗らなくてもいいと思うので、崖に挟まれた不思議な岩はいつか見てみてほしいなあと思います。(きっといつか浸食されて落ちるのでしょう)
本日は以上です♪