しろくま野遊びラボ

ノルウェーオスロ在住 自然豊かな雪国でのアウトドア記録

Rondane ソリをひいて2泊3日 山スキー①

Rondaneに山スキーに行ってきました。

DNT Rondvassbuをベースに2泊し、 Veslesmeden(2015m)に登ってきました。

Hytteまでは初めてソリを使ってアプローチしてみました。

 

概要

・日程:2023年4月29日(土)~5月1日(月) 2泊3日

・天気:1日目 雪 2日目 晴れ時々曇り 3日目 晴れ時々曇り

・アクセス:オスロから車で3時間50分

・駐車場:あり 20台程度

・駐車料金:50NOK/日(Vippsにて支払い)

 

・スタート地点の標高:890m

 

距離、標高差

Mysuseter(駐車場)~DNT Rondvassbu

距離:片道10km

標高差:280m

 

DNT Rondvassbu~Veslesmeden肩の手前まで

距離:往復9.45km

標高差:660m

 

ルート

Mysuseter(駐車場)~DNT Rondvassbu

 

DNT Rondvassbu~Veslesmeden肩の手前まで

 

ルートの詳細は、Ut.no参照

Mysuseter~DNT Rondvassbu

Hele Norges turplanlegger - UT.no

 

DNT Rondvassbu~Veslesmeden

Hele Norges turplanlegger - UT.no

 

Googleマップ

駐車場

goo.gl

 

Rondaneについて

Rondane国立公園はノルウェーで最初に制定された国立公園です。

2000mを超える10の山があり、氷河の影響でできたV字、U字の地形が多くあります。

 

ノルウェーは、ゆるやかな地形の山が多い印象ですが、Rondaneはノルウェーらしからぬシャキシャキした形の山もたくさんある山域です。

山スキーにも適した斜面が多くある山域だと思います。

 

Rondaneのトナカイについて

Rondaneは野生のトナカイの生息地として有名で、家畜と混血していないトナカイが生息しているところは大変貴重だそう。

トナカイの繁殖保護のため、繁殖期の5月~6月中旬は入山が制限されます。

 

トナカイはレッドリスト(絶滅危惧種)に登録されていますが、ノルウェーでは今もトナカイの狩猟が行われていて、スーパーでトナカイ肉が購入できます。

(トナカイはノルウェー語でReindeerです。Reindeer pølseは私もお気に入り)

狩猟時期は8月20日~9月半ばまで。

レッドリストに登録されているのに狩猟するの?と疑問に感じましたが、これはトナカイの食料不足を避けることと、病気を避けるための人工的な頭数管理のためだそう。

トナカイの餌場が減っているので、トナカイが繁殖で増えすぎてしまうと食料不足になる個体が増え、さらに絶滅の危機に近づく、ということのようです。

 

参考:Rondane-Dovre National park boardのホームページ

Welcome to Rondane and Dovre National Parks

 

駐車場詳細

Mysuseterというところがスタート地点で、駐車場があります。

1日50NOKなので、3日分払いました。Vippsで支払い可能です。

夏道の駐車場までは雪のため通行できません。

駐車場の様子

山行記録

 

1日目:Mysuseter~DNT Rondvassubuまで

1日目は駐車場のあるMysuseterからDNThytteまで、片道10km、標高差300m程度のゆるやかなアプローチです。

 

今回の装備はクロカン板+ソリ。

山スキー板とブーツはソリに積載していきました。

装備やソリの詳細については後述します。

 

この日の天候は、朝のうちは吹雪で、午後からは風も弱まり晴れていく予報。

午後からの好天に期待してゆっくり出発したものの、しばらくは強風に小雪が舞い、ガスガスで視界が悪い状況でした。

さらに2泊分の食料や酒をソリに積んでおり、荷物が重くて四苦八苦。特に登り。

思いのほかスピードが出なくてHytteまで時間がかかりました。

 

出だし1時間も歩けば森林限界を超えて木がない平地になるので、ガスに覆われるとルートが全く分からなくなります。

イースターも終わりルートマッピングもなく、先行者のトレースも風で完全に消えているので、GPSなしでは確実に遭難するなあという感じでした。

たまーに案内は出ているものの、基本的にはGPS見ながら進む。

ガスガス

 

沢の左岸(西側)をしばらく進む

夏山登山用の駐車場・バス停を通過し、少し進むと橋があるので、それを使って渡渉します。

その後は沢の左岸(西側)を歩きます。

 

右岸(東側)は夏道で、おそらくHytteまで最短・かつ標高差少なく進めるのは右岸かと思います。

しかしながら、傾斜があってソリが引きにくそうなことと、隣の山からの雪崩のリスクがあるを鑑みると、スキーで行くなら左岸の方が平らで楽、かつ近くに大きな斜面がないので安全そうです。

2人組が右岸側を歩いているのが見えたのですが、ソリが斜めになったりして大変そうでした。

橋を渡る
段々晴れてきた

 

Rondvassbuが見えてくる

だんだん天気もよくなってきて、いよいよDNT Rondvassbuが見えてきました。

Rondvassubuに向けて2つくらい橋を渡ります。

 

Rondvassbuのすぐ南側にも道がついていますが、脇の急斜面からの雪崩リスクが高いので、Rondvassbu正面の湖側からHytteにアプローチする必要があります。

 

参考:UT.no

Hele Norges turplanlegger - UT.no

Hytteがみえてきた

Rondvassbuのセルフサービスキャビン外観

 

Rondvassbu到着

駐車場からHytteまで、対岸に見えた2人組以外誰とも会わずトレースもなかったので、天候も悪いし人の少ないHytteかなと思いましたが、20人以上の宿泊客がいました。

 

この時期のRondvassbuは、セルフサービスキャビンとなっており、アプローチも面倒なので、ノルウェーの玄人スノーフリークばかりが集結している様子。

「日本から来たよ」と伝えると、ニセコ、白馬、札幌五輪など、日本のスキー関連の話題が次々と。

雪国としての日本の認知度の高さをまた実感しました。

 

翌日登る予定のルートについて、この日に登った人が雪や斜面の状態を教えてくれましたが、風が強くて、みんな途中撤退だった様子。雪は良かったよとのこと。

翌日も風が残る予報だったので、行けるところまで頑張ろうか~と夫と打ち合わせして就寝しました。

夜はこの食堂でみんなでビール飲んでおしゃべり
ノルウェー人は街ではシャイだけど山ではよく喋る。とおじ様が教えてくれました

 

2日目:DNT Rondvassubu~Veslesmeden(2015m)

今日目指すのはVeslesmeden 2015m。

まずは肩の1871mまで登り、その後、山頂までの稜線歩きの予定です。

 

朝起きて窓から山頂を眺めましたが、山頂はガスに覆われている様子。

(と思いきや、実際はガスではなく、強風で舞い上がった雪で山頂が見えなくなっていたようでした)

 

ひとまず晴れていて当面の視界はあるので、朝ご飯を食べて出発。

まずはhytteの前の湖を渡ります。

DNTのマーキングがされているので、ルートは分かりやすくなっています。

 

特に難しい登りもなく順調に標高は上げていきましたが、ずっと風が強く、ついに耐風姿勢をとらないと吹っ飛びそうなくらいになってきたので、1850mでやむなく撤退。

先行パーティーも1871mで撤退したとのことでした。

左の山を目指しましたが撤退

滑走

昨日の雪は良かったとのことでしたが、1日中風にさらされていた影響で、今日はウィンドパック気味。

Hytteに近づいて風が弱いところは良いパウダーが残っていました。

 

今回は景色を楽しむ&来年以降の偵察のためスキーということにします。

 

昼過ぎにはHytteに帰ることができたので、近くでもう一本滑りに行こうかどうしようか悩みましたが、相変わらず風も強く、雪もあまり良くないだろうということで、のんびり昼からビールを楽しみました。

滑る 景色はいい

 

3日目:DNT Rondvassubu~Mysuseter

3日目(5月1日)は、12時で小屋閉め。(5/1~6/10までトナカイ保護のため閉鎖)

かつ、午後からまた天気が崩れる予報なので早めに出発。

初日はガスで見えにくかった周辺斜面を偵察しつつ、来た道を帰りました。

 

2泊3日で食料も酒もだいぶ減り、帰りは下り基調なのでソリも快適に運べました。


また、小屋締めのためか、スノーモービルで小屋に向かった人がいたのですが、このトレースにはかなり助けられました。

 

が、最後の最後、駐車場まであと数百メートルの割と急な下り斜面では、ソリの扱いに苦労しました。

クロカン板で非整地を滑るのは、ソリがあるとなかなかコントロールが効かず、夫がボロボロになりながら頑張ってくれました。

 

最後はボロボロになりましたが、2泊3日、ソリデビューの山旅、とっても楽しかったです。

アプローチ途中や、Hytteの周りに山スキー向きの山が沢山あることも分かり、よい偵察山行になりました。

アプローチに時間がかかる分、Hytteを拠点にたくさん滑りたいところでしたが、今回はかなわなかったので、来シーズン以降またリベンジしたいと思います。

Rondaneの山々をバックに。

スノーモービルのトレースの上を進む
このあと前の黒い雲から雪が降ってきました

Rondvassbu内装

Rondvassbuのセルフサービスキャビンの内装です。

Rondvassbuはこの他にも棟があり、夏場やイースター時期は有人のキャビンとして運営されています。

 

ベッドルームが3つあり、ロフトでも寝れます。

キッチンはおおむねほかのキャビンと変わらず、ハーフセルフサービスキャビンのように食料の販売がありました。

 

水は取れないので、雪を溶かして使います。

HPの記載だと電気は使えそうでしたが、実際は電気が通っていませんでした。

小屋締め前だからかもしれません。

 

混んでいましたが、清潔でいいDNThytteだと思います。

ベッド

キッチン

セルフ

①はこちらで以上です。
ソリや装備関係については次の記事に続きます。