今年の夏山スタートはノルウェーで1番有名なハイキングコースであろうトロルトゥンガへ。
一番標高の高い登山口へのバスの運行が開始になる6月1日に登ってきました。
公式サイト
最新情報は公式サイトで確認してください。
▼Troll tunga Official
概要
・日程:2024年6月1日(土)
・天気:晴れ
・登山口(Mågelitopp)の標高:830m
・トロルトゥンガの標高:1230m
・距離:21km
・獲得標高:850m
ルート
▼Trolltunga Officialのルート紹介
▼UT.no
アクセス
車の場合
バスを組み合わせて登山口へ。
駐車場は3か所。
P1→P2→P3の順で標高が上がり、トロルトゥンガが近くなります。
P1やP2からも歩けますが、P3からスタートするよりP1では+18km、P2では+7km増えるので体力に自信がある人以外はP3 Mågelitoppからスタートするのがおすすめ。
我が家はP2に駐車し、シャトルバスでP3に上がって登山を開始しました。
P3の駐車場に停められるのが一番理想ですが、30台しか停められないため事前予約制となっており、1週間以上前に予約がいっぱいになることが多いです。
48時間前までは予約のキャンセルが可能ですが、直前の天候次第で行かない可能性があるならバスを組み合わせるのが無難です。
キャンピングカーなどの大型車はP2までの道が狭く通行できないため、P1に駐車する必要があります。
駐車料金や駐車可能台数
- P1 Tyssedal 300kr/日(220台、予約不要)
- P2 Skjeggedal 500kr/日(通行料込み、180台、予約不要)
- P3 Mågelitopp 600kr/日+通行料200kr(30台のみ、要事前予約)
▼P3の予約
parking - Secure your hassle-free journey. SAVE 3 HOURS HIKE!
駐車場からのバス
P1⇔P2⇔P3でそれぞれバスが運行しています。
P1⇔P2
・運行期間:2024年は5月23日から 9月22日まで
・運行会社:オッダバス・オッダタクシーの2社
・予約:オンライン。乗車時に購入も可能だが混むので事前予約推奨(特に往路)
・料金:片道100kr
▼P1⇔P2のバス予約
Trolltunga Shuttle | Transport to trailhead | Odda Bus | Official Website
Trolltunga | Odda Taxi | Drosjer i Odda
P2⇔P3
・運行期間:2024年は6月1日から9月29日
・運行会社:Trolltunga-Road Bus社
・予約:座席の半分はオンラインで事前予約(往路のみ)、もう半分はP2にて販売
・料金:片道150kr
▼P2⇔P3のバス予約
Shuttle bus - Secure your hassle-free journey. SAVE 3 HOURS HIKE!
車を使わない場合
Odda(オッダ)という街を起点に登山口を目指します。
バスに乗り、ベルゲンからは3時間、スタヴァンゲルからは4時間、オスロからは6時間程度でオッダに到着します。(フェリーなどで来る選択肢もあり)
オッダの街から駐車場P2 Skjeggedalまでのバスが運行しています。
▼バス予約
Trolltunga Shuttle | Transport to trailhead | Odda Bus | Official Website
Trolltunga | Odda Taxi | Drosjer i Odda
P2からも登山を開始できますが前述の通り距離が長いので、体力に自信がある人以外はさらにシャトルバスに乗り、P3 Mågelitoppからスタートするのがおすすめです。
その他、オッダからタクシーに乗る選択肢もあります。
トロルトゥンガ(Trolltunga)について
ノルウェー西部にある氷河に削られてできた崖から突き出ている岩のこと。
トロルは北欧に伝わる伝説の妖精のことで、トゥンガはノルウェー語で”舌”を表します。
崖は約1万年前くらいの氷期に形成されたと考えられています。
ノルウェーの5大フィヨルドのひとつであるハルダンゲルフィヨルドの近くにある崖ですが、トロルトゥンガから見えるのはフィヨルドではなくダム湖です。
ノルウェー国内ではそこまで有名な場所ではなかったそうですが、ここ10年くらいで絶景スポットとして有名になり多くの観光客が訪れるようになりました。
観光客が多いですが、往復20km、所要時間は8時間くらいかかるので普段から山に登り慣れていない人にとっては長くてハードに感じるかもしれません。
西ノルウェーの山は天気も変わりやすく、気温がそこまで高くなることはないので夏でも雨が降るととても寒いです。
軽装で行っている日本人の記事もそこそこ見ますが、滑り止めのついた登山靴、雨具、防寒着、十分な水・食料など、山登りに適した服装や持ち物を準備することをおすすめします。
夏以外は雪が降り日も短いので、ガイドなしでの入山は6月1日~9月30日までが推奨されています。
山行記録
駐車場からバスに乗り登山口へ
6月1日からP2→P3のシャトルバスが運行するので、そのタイミングに合わせてトロルトゥンガへ。
7月になると欧州は夏休みになり一気に人が増えそうなので、できれば早めに登っておきたいなと思っていた場所でした。
金曜日の夜にオスロを出発し、適当な場所で車中泊したあと、土曜日の朝6:30頃に駐車場(P2)Skjeggedalに到着。
P2→P3へは6:30が始発で、11:00発まで30分おきにバスが出ています。
私たちは7:00発のチケットを事前に予約しました。
半分の座席は予約なしの人も乗れるようになっていたので、事前に売り切れていても気合を入れて早めにくれば早朝のバスにも乗れそうです。
登山口の標高は830m、トロルトゥンガの標高は1230mなので、標高差だけで見れば400m程度の登山。
距離は片道10kmあるので少々長丁場です。
岩場を登ると景色が開ける
花の美しい場所を15分くらい歩くと、さっそく岩の多い場所を登っていきます。
山に慣れていない人にとってはここの登りがしんどいのでしょう。
バスを降りたあと、スタートダッシュだ!とばかりにハイペースで歩いて行った人たちはこのあたりで大体ぜーぜー息切れして休憩しています。
長いので、疲れないペースでのんびり行くのが吉。
岩場を登りきると、木も減ってだいぶ景色が開けます。
遠くの氷河や、残雪の残る山々も見えるようになって美しいです。
多少のアップダウンはあるものの、平行移動が続く
最初のひと登りを頑張れば、残りは平行移動が多め。
6月1週目はまだ残雪がありますが、滑落するような場所でもなく気温が高ければ雪面が硬くもないのでアイゼンなどは必要ありませんでした。
山頂からも見えるダム湖、Ringedalsvatnetが見えてきます。
断崖に囲まれているのが面白い景色です。
トロルトゥンガ到着、写真待ち
10時過ぎにトロルトゥンガに到着。
想像以上にすごーく「舌」っぽい形。
天気が良く、Ringedalsvatnetや向こうに見える断崖絶壁の景色も美しいです。
朝イチのバスで来た人や、テント泊で前日から来ている人などで既にトロルトゥンガの前には写真待ちの列が。
日本人のように周りに気を使ってさっさと写真を交代しようというような気づかいをする人はほぼいないので、基本的に満足いくまで何ショットも撮っている人が多いので時間がかかります。
ハイピークの午後になると「写真待ちだけで2時間かかった」なんて話も聞くので、余計な時間ロスを回避するためにも早めに来て正解だったなと思いました。
並びつつ、近くの人に写真を頼んで舌の上へ。
下りるところには梯子があります。
舌に見える岩は案外広い上に先端に向かって若干高くなっているので、先端にいくまで湖は見えず、そこまで高度感は感じません。
逆側から見るとこんな感じ
よく見る写真の逆側からはこんな感じに見えます。
こちらからは全然舌に見えませんし、切れ落ちてる感じにも見えませんね。
下山
写真を撮ったあとはお昼を食べてきた道を帰ります。
先週までスキーで下山していたので、歩いての下山がかったるいのなんの…。
花がたくさん咲いていることが癒しになりました。
12時過ぎて登ってくる人たちの中にはチラホラとノルウェー人やテント泊装備の人を見かけるようになりました。
朝の早い時間にいる人はほとんどノルウェー以外から来た日帰り観光の人たち。
オスロでもほとんど出会うことのない日本人にも数名会いました。
バスで駐車場へ
14時30分過ぎに下山。
休憩も含めて往復8時間弱の登山になりました。
帰りのバスはチケットを予約する必要はないので、バスを降車したところのカウンターで支払いをします。
下山後キャンプ
下山したあとはオッダの街のスーパーで買い物をしたあと、ハルダンゲルフィヨルドのそばのキャンプ場に。
下山後のビールが最高でした。
無料でシャワーも使えるいいキャンプ場です。
SUPが無料でレンタルできるので、天気が良ければハルダンゲルフィヨルドでSUPするのもよさそうです。(今回は風が強かったので見送り。)
ハルダンゲルフィヨルド沿いをドライブして帰宅
翌日はのんびり起きて、ハルダンゲルフィヨルド沿いをドライブ。
このあたりはリンゴの名産地で、フィヨルド沿いには果樹園が多いです。
ハルダンゲル民族博物館にも寄り道しました。
女性ハルダンゲルフィーレ奏者についての特設展示が興味深かったです。
帰りにEidfjordにある総落差182mの大きな滝Vøringfossenにも寄りましたが、想像以上の大迫力。
虹がかかっていてとても綺麗でした。
まとめ
1度は登ってみたかったノルウェーの有名ルート。
正直ノルウェーの山に色々登っていると、最後の舌の奇岩以外の風景は良く見慣れた感じではあるのですが、日本には氷河に削られてできた断崖絶壁や遠くの氷河の景色などを楽しめる場所はないので日本人にも人気があるのは分かるなあと思いました。
登山口へのアクセスも舌までの道中も長いので辿り着くのは大変ですが、ノルウェーらしい風景を楽しめるルートだと思います。