ÅndalsnesにあるRomsdalseggenに登ってきました。
Trollveggen(トロルの壁)と呼ばれる垂直の岩壁と、渓谷の中を蛇行するラウマ川の眺望を楽しむことのできるルートです。
ロープウェーで簡単に展望台にアクセスすることもできます。
オスロからÅndalsnesへ
長い夏休みのスタート
キャンプ道具、登山道具(泊まり装備含む)、SUP、釣り竿、自転車、食材、お酒etc…を車に詰め込み、さながら夜逃げの様相でオスロを出発。
最初はガイランゲルフィヨルドを経由し、Trollstigenと景観のいいルートを通ってÅndalsnesを目指そうと思っていたものの、Trollstigenが通行止めだったのでOttaやDombåsなど東側の道を使って最速でÅndalsnesに向かいました。
トロルの壁とトロルの通り道
Romsdalenと呼ばれるエリアのラウマ川の河口にある街Åndalsnes。
その街の近くではTrollveggen(トロルの壁)と呼ばれる岩壁と、Trollstigen(トロルの通り道)と呼ばれる道が特に有名です。
Trollveggen
Trollveggenは垂直に切り立つ1,000mの岩壁です。
近くで見ると迫りくるような岩壁に圧倒されます。
多くのクライマーが挑戦しており、その登攀ルートもTrollveggenの紹介に載せられています。(亡くなった方も多数)
初登攀は1965年、冬季の初登攀は1974年。
2018年にキリアン・ジョルネがスキーでの初滑降をしています。(ちなみに彼はここを過去に登ってもいる。信じられん。)
2年前にNETFLIXで公開されたノルウェー映画「トロール」の中の最初のシーンで出てくるのがこの壁です。
(この映画自体は”そこまで面白くないゴジラ”という印象だったのですが、最初に出てくる壁のシーンと、ノルウェーの美しい自然のシーンは良かったです。)
2022年にぶなの会の方々がトロルの壁の南側の滝を登攀しています。
(余談)
乗り継ぎ必須のアクセスの悪さ、世界1レベルの物価の高さ、日本人にはしんどい食生活事情、田舎のマイナー国家なので日本語はもちろん英語でも各種情報収集がしにくいetc...、まあなにかと難しい国ですが、壁だらけ滝だらけ、冬はもちろん氷瀑だらけのノルウェーってクライマーにとっては面白い国なのではと常々思っています。
クライミング道具一式持っていながらも我が家は現在ほぼ登らないので、登攀に適した岩なのかどうかなど詳しいところはよく分かりませんが。
一応アウトドアショップに行けばノルウェーのクライミングルートの本が売っていたりもするので、そのうちパラパラ見てみようかなと思います。面白かったら山岳会の仲間へのお土産にでもしようかな。
Trollstigen
TrollstigenはガイランゲルフィヨルドとÅndalsnesを結ぶ峠道で、道の脇に聳え立つ山々と、11のヘアピンカーブの景観が特徴の有名な道です。
通常5月末から雪の降る初秋頃まで道路が開通していますが、2024年は6月上旬の落石事故の影響で通行止めとのこと。
イースターの時期にガイランゲルフィヨルドに行った際、次は通りたいと言っていた道だったので今年は通れず残念。
また来年以降、開通したときに行ける日を楽しみにしたいと思います。
▼Trollstigenの最新情報など
キャンプ場
Åndalsnes周辺にはいくつかのキャンプ場がありますが、街に近い方は混雑していたこともあり、今回は人の少ないこちらのキャンプ場にチェックイン。
▼Soggebrua Camping
チェックインの場所に人がいないというレビューが多かったのですが、さすがに7月のバカンスシーズンで夜に来るゲストも多いからなのか、21時頃でもスタッフの人が対応してくれました。
本来、テントスペースは湖側とのことですが、混雑していることもありキャンピングカーのスペースに停めて良いと言ってくれました。
車も横付けできるし、電気もとれる場所でテントが張れたので、遅く来てかえってラッキーでした。
こじんまりとしたキャンプ場ですが炊事場やトイレ、シャワーなども綺麗で快適。
そしてアーベントロートで照らされる山が美しかったのが印象的なキャンプ場でした。
Romsdalseggenへ
山の情報など
日程:2024年7月13日(土)
登山口の標高:375m
稜線の一番高いところの標高:1211m
獲得標高:930m
距離:10.8km
ルート
UT.no参照
アクセス
※登山口~Åndalsens駅までの片道の場合
Åndalsnes駅から登山口までのバスを利用し、縦走してÅndalsnes駅に戻ってくるルートが最もオーソドックス。
バスは6月中旬~10月中旬まで運行。(降雪時はキャンセルの可能性あり)
運行スケジュール:7月・8月は1日4本(8時・9時・10時・11時に発車)
9月からは1日1本(9時発車)
乗車時間:20分
金額:1人 250kr、 2人 425kr
▼Åndalsnes駅(バス乗車場所・ロープウェイもここから乗れる)
駅周辺にいくつか駐車場(有料)あり
▼バスのチケットは予約・オンライン決済
▼登山口にも小さいが駐車場あり。
バスの運行は朝のみなので、縦走する場合はタクシーなどで車を回収しに来ることになる。交通量・駐車料金あり。
自転車でバス停まで
Åndalsnes駅から登山口まで出るバスを前日の夕方に予約したので、バスの時間に合わせてキャンプ場を出発。
Åndalsnes駅周辺にも駐車場はありますが駐車料金がどこもそこそこ高いので、車はキャンプ場に置いて自転車で駅まで向かいました。(片道約5km)
バスは1人分よりも2人分・3人分まとめて買う方が安い謎設定なので、複数人で買う場合は一緒に購入する方が良いかも。
駅の駐輪場に自転車を停めて、近くのバスの待合所にあるトイレ(有料)などを使いました。
バスはチケットを持っていればスムーズに乗車できます。
バスは同じ時刻に何台か動かしているようで、私たちが乗ったバスは早めに満席になったので定刻より早く登山口に向けて出発しました。
その場で代金を支払って乗ることはできないようで、その場でネットでチケットを購入している人もチラホラ。
バスの乗車時間は20分くらいでした。
稜線を目指して登っていく
登山口に到着。
バスを降りる場所の近くに無料のトイレがあります。
稜線に登り上げるまでは地道に標高を上げていきます。
稜線に出るまでも、お花が綺麗な場所、高原のように景色の開ける場所、ガレ場、と登山道の雰囲気が変わっていくのが面白いです。
朝は雲海のようになっていて、1000m程度の山並みがさながら3000mくらいの高い山のように見えるのが面白かったです。
大展望の稜線歩き
スタートから2時間後、稜線に到着。
思わず、わあ!と声が出てしまうような素晴らしい景色。
大迫力のトロルの壁と、蛇行するラウマ川。
雲が残っているのがまたいい雰囲気でした。
多くの人が景色の良い稜線上で休憩していました。
向こう側は崖なので、端に行き過ぎ注意。
稜線沿いに歩いていくと段々Åndalsnes駅の向こうに海も見えてきます。
Isfjordenというフィヨルドです。
慣れている人にとってはなんてことはないですが、一部若干急な下りの岩場(鎖あり)と、短いですが岩場を登る場所が出てきます。
普段登り慣れていなさそうな若い女の子や、お年寄りはそのあたりで苦労していました。
逆に体の軽い小学生くらいのちびっこたちはスイスイ上り下りしていました。(子連れ多かったです。)
下山はロープウェーで
2時間くらいの稜線歩きのあと、ロープウェーの乗り場に到着。
このロープウェー乗り場のところの展望台からもトロルの壁やラウマ川、フィヨルドが綺麗に見えるので、登山したくない人は展望台までロープウェーで来るのがいいかなと思います。
Åndalsnesの駅までは標高差700mくらい。
歩いて下山することも可能ですが、特に夏山に関しては省エネモードなので金で解決してロープウェーで楽々下山しました。(一人370kr 高い)
いい景色も十分眺めたし、暑いし、登りはともかく下山の方が足疲れるし…。スキー欲しい。
9時20分出発、15時20分下山でした。
Åndalsnes駅前の観光案内所にカフェが併設しているので、アイスを食べて帰りました。ビール飲めます。
駅近くにはアウトドアショップもあるので忘れ物した場合などはそこで調達するのがいいかも。
DNT(ノルウェートレッキング協会)の事務所兼ショップもあるので、何か登山ルートなどで相談したいことや収集したい情報がある場合はそこで聞くのがいいかもしれません。
オスロのDNTも親身に相談に乗ってくれますが、やはり地元のDNTの人たちの方が詳しい情報を持っている可能性が高いかと思います。
その他、近くの山域の地図の調達などにも役立つと思います。
眺望の良いルートの多いRomsdalen山域
Romsdalseggen以外にも登山ルートはいくつかありますが、どこも渓谷の美しさやフィヨルドの眺望を楽しめるルートが多くて面白そう。
Romsdalen山域の山スキールートの本も持っているのですが、実際に晴れた日に景色を眺めると登りごたえ、滑りごたえのありそうです。
今回はRomsdalseggenのみ登って、Helgeland方面へ向かってしまいましたが、機会があればまたのんびり他の山にも行きたいエリアです。
夏休み記事はHelgeland編に続きます。