しろくま野遊びラボ

ノルウェーオスロ在住 自然豊かな雪国でのアウトドア記録

イースター山スキー遠征10日間①(西ノルウェー Ulvik,Myrkdalen周辺)

今年のイースターは日帰り山スキー三昧の旅。

西ノルウェーを中心に、最後はノルウェー最高峰Galdhøppigenにも行きました。

オスロからは距離がありなかなか行けないエリアですが、良い山がたくさんありました。

 

今回は最初の4日間、Ulvik、Voss、Myrkdalen周辺の記録です。

 

 

 

1日目(3月23日):移動日 Ulvikへ

はじめての西ノルウェー方面へ

小雪のちらつくイースター初日。

もともとJotunheimenかHardangerviddaに長くこもる予定でしたが天候が安定せず、全く計画していなかった西ノルウェー方面に行くことに。

Windyで各モデルの予報を見ながら毎日一喜一憂していましたが、結局西ノルウェー方面に行くのを決めたのは出発2日前くらいでした。

休みが10日もあるので、後半の天気がよくなりそうだったらJotunheimen方面に行こうと思っていたものの最終的にそうすることもなく、ほとんどを西ノルウェーで過ごすことになりました。

車内はテトリス
スキー3セット、ソリも2台積んでいます

 

ふきのとうを発見

まずはハルダンゲルフィヨルドの近くにある街、Ulvikへ。

ここまで車で5時間くらい。やっぱりオスロから行くには遠いので移動日が欲しい山域です。

 

道中でふきのとうを発見しました。

昨年、オスロ周辺では結構生えていそうな場所を探し回ったのですが、見つけられたことがありません。成長したフキ自体を見ることもありませんでした。

 

ノルウェーにとってふきのとうは外来種であり、繁殖力が強いので駆除対象だそう。

こういう田舎街の路肩には残っているのかもしれないですね。

 

新潟では高速道路脇にどっさり生えていたり、下山したあと林道で摘んで帰っていましたがノルウェーに来てからは一度も食べていなかったので久しぶりの春の味でした。

天ぷらで食べたいところでしたが、Airbnbの宿で揚げ物するのも気が引けて、結局持ち合わせていたオリーブオイル、にんにくで炒めて最後にチーズをかけて洋風にして食べました。

 

UlvikではAirbnbで予約した宿に2泊しました。

ふきのとう
去年は見つけられなかったので久しぶりの春の味でした

ハルダンゲル橋を渡る
泊まったAirbnbの部屋の2階からの景色

 

2日目(3月24日):Midtfjell(1255m)

・天気:晴れ

・駐車場:林道終点に10台程度

・通行料・駐車料金:なし


・登山口の標高:420m
・山頂の標高:1255m

・距離:14.8km
・獲得標高:850m

 

ルート

おおむねこの通り

ut.no

 

Googleマップ

駐車場はこのあたり

maps.app.goo.gl

 

駐車場までが本日の核心

Ulvikの街中から車で15分の場所にあるMidtfjellへ。

林道終点に駐車できそうなので向かってみます。

 

路面状況がやや心配ではあるな…と思っていたら案の定、前日に降った雪が除雪されておらず、我が家のアウトランダーでもタイヤが空回りしてヒヤリ…。

 

ひとまず登って林道終点まで行きましたが、無理せずにもっと手前で駐車してもよかったかも…。

下山したら何台かもっと標高の低いところに停まっていました。

(帰りはスノーソックスをタイヤに履かせてくだりました)

結構積もってた

 

久しぶりの樹林帯歩き

珍しく樹林帯からスタートの山スキー。

木の密度が高いところを避けながら標高をあげていきます。

森林限界に近づくにつれて周りの山々がよく見えるようになっていきます。

周辺には大きくどっしりした山が多く、スキーがしたくなる山がいくつも見えます。

 

今回、久しぶりにライチョウを見ました。

森林限界ギリギリくらいでライチョウが木にとまっていて、近づくと飛んでいきました。

ハイマツの陰にいるのはよく見ますが、木にとまるライチョウは初めてみました。

 

イースター中にライチョウをみたのは計3回。

やはり朝イチなどで人が少ない時間に出てきてくれますね。

今回のMidtfjellでも私たちしかいない静かなときに見れました。

久しぶりに樹林帯からスタートの山スキー

私たちだけしかいない山

 

ハルダンゲルフィヨルドの展望台のような山頂

山頂からハルダンゲルフィヨルドと、ハルダンゲル橋(hardangerbrua)が見えました。

この景色を山頂から見た時は思わずうわー!っと声が出てしまうくらい。

標高は高くないものの、いままで行ったノルウェーの山々のなかでもピカイチの景色の良さでした。

良く晴れた気持ちのいい日にこの景色を眺められて幸せでした。

ハルダンゲルフィヨルドとハルダンゲル橋
スキーで登ってフィヨルドを眺める感動はひとしお

 

滑走

上部は新雪、中間部はモナカ、駐車場近くはザラメ、と雪質の変化が楽しい滑走でした。

午後になってたくさんの人が登ってきてすれ違いました。

山スキーの人、BCクロカンの人が半々くらい。

全体的に斜度が急なところはないのでBCクロカンでも楽しめそうな山です。

 

3日目(3月25日):Finnbunuten(1358m)

・天気:曇り時々晴れ

・駐車場:路肩に20台程度の駐車場あり

・通行料・駐車料金:なし


・登山口の標高:770m
・山頂の標高:1358m


・距離:9.9km
・獲得標高:605m

 

ルート

 

Googleマップ

maps.app.goo.gl

 

昼からのんびり出発、山頂付近で人が増えてくる

Vossの街で買い出しをしてMyrkdalenにあるFinnbunutenへ。

午後から天気が回復する予報だったので12時前からのんびりスタート。

すでに滑り終えた人、これから登る人、多くの人がいて人気の山なんだなあと思っていましたが、山頂へはスキー場トップからもアクセスできるようで、さらに人が増えました。

 

今シーズン一番いい雪を滑れた日

途中登り返しになりそうな箇所もありましたが、上手くトラバースなどもしながら登り返しのないルート選んで滑ります。

駐車場の前の最後の滑りは、登りで使ったラインではなく一つピークを挟んだ東側を落としました。

 

降雪2日後でしたが、北斜面に良い雪が残っていて気持ちのいいパウダー滑走でした。

多分今シーズン滑った中で雪質的には一番いい日だったと思います。

 

駐車場までダイレクトに滑っていけるので、アプローチのかったるさがないのも良い山だと思いました。

春のスキーのあとはSoloが美味しい
(オレンジの炭酸ジュース)

 

翌日登る山の麓でテント泊

翌日は天気予報が良くなかったので移動日にしようと思っていましたが、思いのほか予報が良い感じになってきて午前中いっぱいは晴れそうだったので短いルートを登ることに。

 

どこに登るかも宿泊場所も決めてなかったので下山後にドライブしていい斜面とテン場探し。

こういうときはドライブして斜面観察しつつ、UTでルート情報見たり、地形図みたりしながら行先を考えます。

ちょうど北斜面で短いルートの良さそうな山があったので、翌日滑ることにしてその前でテント泊することにしました。

 

夕日が綺麗でした。

正面の山に翌日登る

夕日

夜ご飯
前の日、宿で仕込んでおいたローストビーフ

 

4日目(3月26日):Fossfjellet(1313m)

・天気:晴れのち曇り

・駐車場:30台程度の駐車場あり

・通行料・駐車料金:なし


・登山口の標高:930m
・山頂の標高:1313m


・距離:5.8km
・獲得標高:380m

 

ルート

 

Googleマップ

駐車場はここ

maps.app.goo.gl

 

天気が崩れる前に短めルートへ

昼前から天気が崩れる予報だったので標高差400m弱の短いルートを選んで出発。

途中少し雪の固い場所のトラバースでスキーアイゼンを使ったものの、おおむねスムーズに山頂まで到達しました。

 

1時間30分のお手軽ハイク。

しばらく影になる
日射の影響が少ない斜面なので雪はやわらかい

標高あげていくと後ろにソグネフィヨルドが見えるようになって感動
何度も振り向いてしまう

 

山頂からはソグネフィヨルドがみえる

山頂についたら一気に風が吹いてきたのでささっと滑走準備。

山頂からは世界遺産のソグネフィヨルドが遠くに見えました。

雪質はまあまあ。

さすがに降雪3日後なのでもっと重たいんじゃないかと思っていましたが、想像していたより滑りやすくてホッ。

下山も含めれば2時間のお手軽山スキーでした。

 

下山してすぐにモクモク雲が湧いてきてあっという間に小雪が舞い始めました。

こういう日にサクッと登れるルートがあると良いですね。

 

このあたりは色んな山があるので、天気が一日安定しているなら、BCクロカンを使って周りのVikafjell一帯のツアースキーなども楽しそう。

振り向くとソグネフィヨルドが遠くに見える

暴風吹く中、記念撮影

下山したらどんどん雲が湧いてきた

 

Myrkdalen Fjellandsbyという観光会社のサイト

Myrkdalenでの山スキーの紹介ページ

www.myrkdalen.no

 

フェリーでソグネフィヨルドを渡ってSogndal泊

下山後、テントを撤収してフェリー乗り場のあるVikの街に下りていきます。

ここからソグネフィヨルドをフェリーで渡って北上。

AirbnbでとったSogndalの街に1泊しました。

 

ノルウェーのフィヨルドを渡るフェリーは車が乗せられるものがほとんど。

支払いも自動なので、チケットを買ったりする手間もなくスムーズに乗船できることが多いです。(ガイランゲルは事前予約が必要でした。)

 

このあとはさらに北上してSunnmøreアルプスへ。

VIkの街に下りる前の峠にSognefjordが良く見えるポイントあり

車ごとフェリーに乗って次の街へ

 

「クロカンするならオスロ、山スキーするならベルゲン」

昨年の5月にRondaneのDNThyttaで会ったベルゲン在住の姉弟に言われたこの言葉。

今回初めて西ノルウェー方面に山スキーをしにきて、その意味を本当に実感することになりました。

 

オスロから西ノルウェー方面はやはりかなり距離があり、今回最初に登ったUlvikのMidfjellあたりまでも5時間以上かかります。

大してベルゲンからのアクセスだと2時間半程度。

Vossに至っては1時間半で着いてしまうアクセスの良さ。


対してオスロは広大なOslomarkaという森は近くにあるものの、標高の低くて平坦な場所なので山スキー向きの斜面はほぼないと言っていいと思います。

一番近い山スキー向きの山はVikerfjellの山域かと思いますが、そこも2時間弱の所要時間がかかります。さらに西ノルウェーの山々と比べると標高差もなかなか取れない上、行ける山の選択肢もわずか。


JotunheimenやHemsedalまでのアクセスなどはベルゲンよりオスロの方が近いですが、すぐにアクセスできるところにこんなに山スキー向きの山がたくさんあるのはやはり羨ましいな~という気持ちになりました。

ハルダンゲルビッダが近いのもいいですね。


とはいえ我が家はベルゲンに引っ越すわけにもいかないので、長い休みのタイミングで今回のようにまた遠征しに来たいね。と夫と話していました。


Sunnmøre編に続きます。