しろくま野遊びラボ

ノルウェーオスロ在住 自然豊かな雪国でのアウトドア記録

ノルウェーオスロでの妊娠と出産②

オスロでの出産記事その2です。

前回は特に印象的だったことを4つ書きましたが、今回は細々したことの備忘録。

検診の内容、諸々のトラブルの対応、陣痛が来てからのこと、産後のあれこれetc…をざざっと書いています。

長いです。

 

各週の検診の内容やお産についての公的な情報は、Helsenorgeのサイトを見るのがおすすめ。結構詳しくまとまっていて、これからお産を控える妊婦さんや家族に役立つと思います。

www.helsenorge.no

 

前回の記事はこちら↓

shirokumanoasobi.com

 

検診

・妊婦健康カードという日本の母子手帳に代わる立ち位置のような感じのものがあります。紙一枚ですが大事なものです。Fastlegeでもらいました。

妊婦の基本情報(過去の妊娠歴、既往、出産予定日など)や、検診の記録をつけるもので、健診時、分娩時には必ず持参します。出産が近くなってきてからは外出時にも念のため持ち歩いていました。

デジタル版の運用が最近Helsenorgeでスタートしたようです。

Helsekort for gravide

 

・エコーは妊娠12週頃に1回目、18週頃に2回目を出産予定の病院で受けます。

年齢、合併症、過去の妊娠や出産時に気になる点があった場合などは回数が増えます。私は予定日超過したので3回目を受けました。

 

2023年〜オスロでは早期超音波を全ての妊婦に実施しているそうです。(12週ごろに受けるのがそれ)

分娩先の病院でエコーの予約が手配されます。Fastlegeが紹介手続きをしてくれたので自分で分娩先の手配をする必要はありませんでした。

35歳以上の妊婦は早期超音波の際に希望すればNIPT(13,18,21トリソミーの可能性を調べるスクリーニング)を無料で受けることができます。34歳以下で希望する場合はプライベートクリニックにて自費で検査が可能です。


18〜19週の病院でのエコーは30分以上時間をかけて各臓器のチェック。性別も教えてくれました。(性別知りたい?と聞かれた)

早期超音波が実施されるまでは、妊娠中の無料で受けられるエコーはこの20週前後の1回のみだったらしいです。

「妊娠経過に問題がなければ次に来るのは出産のときだよ。陣痛きたら電話してね。」と言われました。

 

・妊娠期間通してエコーは経腹のみ。内診しないので子宮頸管長は測られません。

切迫早産になったとしてもノルウェーでは張り止めの点滴を打ちながら長期入院、絶対安静ということはしないらしいです。

そもそもお腹の張りなど自覚できる症状がないなら積極的に検査をしません。

出産が近くなって、子宮口がどのくらい開いているかなどもルーチンの検診では見ません。


・日本では妊娠が分かってからすぐにエコーを受けて正常妊娠か確認する一方、ノルウェーだと最初のエコーを受けるのが11〜13週くらいです。異所性妊娠(子宮外妊娠など)が心配なので、私はプライベートクリニックに行ってエコーをしてもらいました。

子宮外妊娠の確率は100人に1人程度とそんなに珍しいわけでもない上に、万が一卵管破裂が起こると命にも関わるようなケースもあるので、この初期のエコーは公費にしてほしいなあと思ったりします。


・血液検査

妊娠初期にFastlegeで血液型と、感染症の抗体検査をしてもらいました。

B型肝炎、梅毒、HIV、トキソプラズマなどをFastlegeで検査しました。私はトキソプラズマの抗体がないので、特に猫のフンには触らないようにと指導がありました。

ドクター曰く、ノルウェー人の99%はトキソプラズマの抗体があるとのこと。

(割合の真偽は不明だが、確かにアジアよりヨーロッパの方が抗体陽性率は高いらしい。生肉食べるから?)


・妊娠糖尿病の検査(75gOGTT/経口ブドウ糖負荷試験)

24週で受けました。ノルウェーでは25才以上の初産婦は全員受けるそう。指先で採血後、甘いジュースを5分以内に飲み切り、2時間待機して再度採血して血糖測定。飲んだジュースは吐きそうなくらい甘いオレンジ味の液体。ガムシロップをそのまま飲んでるみたいでした。

 

・ワクチン

ジフテリア・破傷風・百日咳の三種混合ワクチンを無料で接種可能です(2024年〜)

コロナ、インフルエンザのワクチンは妊娠中期以降で流行期に妊娠期間が被りそうな場合推奨。

RSウイルスワクチンは希望する場合に自費で接種可能です(GPで打つべきか相談したら流行るのは幼稚園が多いので上の兄弟がいないなら不要だと言われた)。

RSはデンマークは無料らしいです。日本も2026年4月~無料になっています。ノルウェーも無料になってほしい!

 

体重4500g以上が巨大児として扱われます。日本の基準は4000g。日本だと胎児が大きめと推定される場合にレントゲンで母体の骨盤のサイズを測ったりする場合もありますがノルウェーではエビデンスがないのでやらないとのこと。4500gを超えると推定されない限りは誘発分娩は検討されません。

 

・妊娠後期の検診ではエコーがないですが赤ちゃんのサイズなどを推定するために子宮底長をはかります。平均からはみだした場合は病院での追加エコーが検討されます。

また、Fastlegeやhelsestasjonではポータブルエコーで心拍を確認してくれます。画像はみれないですが、音と心拍数が確認できます。

ちなみにポータブルエコーは個人でも買えます。(FINNで買いました)

▼こういうの

 

・激レア聴診器

日本だともう見ることのない古の医療機器だと思います。

お腹にあてて赤ちゃんの心音を助産師が聞きます。

HelsestasjonでもRiksでの出産時も使っていてびっくり&面白くてすごく印象に残っています。

トラウベ聴診器というらしいです。

 

 

予定日超過のあれこれ、卵膜剥離

誘発分娩と帝王切開は、医療上どうしても必要と医師が判断するまでしません。

私は予定日を11日超過して出産した(41週4日で出産)のですが、予定日超過で誘発分娩をするのは予定日を14日超過した日です。(=42週0日になったら)

日本だと長くても予定日7日超過くらいではほとんどの人が誘発分娩しているんじゃないかと思います。さすがに臨月から1か月以上もソワソワし続けて、最後はベビーが元気なのか心配&出産への緊張がピークで気が狂いそうでした。

 

私は40週6日で予定日超過検診の予約日程がhelsenorgeに届き、41週3日で予定日超過検診をRiksで受けました。

検診はまずNST、その後に産科医の診察(エコー)。

エコーの結果、羊水は十分あり胎児にも母体にも異常がないので42週0日まで待つと言われましたが、推定体重が3800gであること、日本人の出生体重の平均は2900g(女)であること、私の身長は日本人の平均以下であることを伝え、「毎日ナーバス。これ以上待ちたくない。なるべく早く産みたい」と相談したところ、早めに入院出来る日を探してくれて、41週5日での入院予約をとってくれました。

それでも1日でも早く産みたかったので、Membrene sweep(卵膜剥離、日本でよく言う内診グリグリ)を依頼しました。

ドクターからは痛みや不快感を伴う可能性があること、必ずしも陣痛が早く来るとは限らないことを伝えられ了承して実施してもらいました。

ノルウェーで妊娠して初めての内診でしたが、この時点で子宮口が既に3㎝開いていることも分かり、自然に陣痛が来るかもしれないし、もし誘発することになったとしてもスムーズだよと励まされました。

実際に診察の日の午後から前駆陣痛が始まり、夜には本陣痛になり出産しました。

(卵膜剥離をお願いするといいかもよーと言ってくれた友人に大感謝しております)

 

赤ちゃんが大きくてだいぶ難産だったので、もっと早く誘発していればもう少しお産もスムーズだったのかなあと未だに思ったりもしますが、こればかりはこの国の仕組みなので仕方ありません。

 

分娩

・分娩先

希望はあるかFastlegeで聞かれ、Ullevålを希望したものの、予約がいっぱいと言われてRiksになりました。

Ullevålはマタニティホテルが病院に併設しており、パートナーや他の子ども一緒に宿泊できます。Riksは基本的に家族は一緒に泊まれません。(部屋に余裕が合ったりする場合は泊まれることもある)

 

お産の件数はUllevålの方が多いです。(参考までに2026年3月に生まれたベビーの数はUllevål588人、Riks212人)

どちらでも出産経験のある人曰く、助産師1人あたりに対しての患者の数はRiksの方が余裕があるとのこと。

ハイリスク妊婦はRiksになることが多いらしいです。

 

・Riks→Ullevålへの移動

Riksで出産しても、出産がスムーズで母子ともに健康な場合はUllevålのホテルにタクシーで移動することも可能だそう。

私は夫と同室希望だったのでUllevål に移動する予定でしたが、結果的に安産とは言えないお産だったのでRiksにとどまることになりました。(私がボロボロだったからか、部屋が空いていたからなのか不明だが、結局Riksでも夫の同室希望は叶いました)

 

・バースプラン

事前に病院に提出は必要なく、陣痛が来て病院に行った際に希望があれば伝えます。麻酔を希望する、水中出産を希望する、産後の授乳の方針など。

伝え漏れがないように私は下記のような内容を英語とノルウェー語で書いて準備しておき、Helsekortと一緒に病院の助産師に渡しました。

 

・ノルウェー語は夫婦ともに簡単にしか分からないので、英語でのコミュニケーションを希望する

・Epidural(無痛分娩)を希望する

・へその緒を夫にカットしてもらいたい

・産後、夫も一緒に入院させてほしい

・日本の母子手帳に記載するために教えてほしいこと(出生時刻、分娩時間、胎盤が出た時間、出血量、医師の名前、子の身長・体重・頭囲・胸囲)

・出生証明書を書いてほしい(日本の出生届を出すために必要。大使館のHPなどから印刷して持参)

 

・病院に電話をかけるのは陣痛が5分間隔を切ったら

5分を切っていても、「電話口の喋り方が余裕そうだからもう少し家で頑張ってー」と言われた友人が複数人います。

病院に行ってNSTや内診でまだだと判断された場合は家に帰されます。これも割と周りの友人たちは帰されている人多め。

 

・病院についたら

緊急性がなければ通常の入口から入って、産科まで自力で歩いて向かいます

私はRiksの正面玄関で車をおろしてもらい、夫が駐車しに行っている間、深夜3時の真っ暗な病院を歩いて産科病棟へ向かいました。(もちろん陣痛で何度も立ち止まりながら)

Riksの正面玄関から産科病棟までの道のりはまあまあ長いです。

出産前に緊急用の入口(Akuttmottak)も念のため確認しに行きました。夜だと分かりにくいので、明るいうちに場所を確認しておくのをおすすめします。(自家用車で向かう場合)

夜の病院
Riksの産科までは水色の印を辿っていけば着くようになっています


・入院できるかの判断

NST(CTG)をとって陣痛が来ているか確認してその後内診。お産の進み具合を見て、入院していいと助産師が判断すれば入院です。その後、陣痛室に案内されて着替えたり、麻酔を打ったりします。

お産する部屋 個室です

・分娩中の飲食はOK!

日本だと麻酔を打っていると飲食の制限があるところが多そうですが、「とにかく食べて飲んでエネルギーチャージして!」と助産師が何回も言うくらい、こちらは飲食ウェルカム。

病棟の小さな食堂でサンドイッチ、パスタ、ジュースなどはもらえます。夫に全部とってきてもらいました。

基本的には妊婦の分だけでパートナーの食事はありません。

夫の分+私が病院のメニューに食指が動かない場合に備えて家からおにぎりを持参しました。

飲み物に関しては、ストロー付きの水筒などがあると切羽詰まってきたときの水分摂取はしやすいかもしれません。大き目の水筒なら産後の入院中も食堂からいちいち小さいコップでとってくる煩わしさもありません。

スポーツドリンクのようなもの日本ほど種類は多くないのですが、私はVitamin Wellという商品がさっぱりして好きなので、分娩中に飲んでいました。(ゼロカロリーだと意味ないのでカロリーあるものにしました)

ペットボトルにつけるストローキャップのようなものはノルウェーにも売っているのでしょうか?私は日本の家族に送ってもらいました。

麻酔が効いてきてなんでもモリモリ食べられたとき
パスタ、パンナコッタ、ジャムをたっぷり塗ったパンなどなど

 

産後

・産後、ベビーは体重を測ったり体を拭いたりしてもらう諸々の流れの中でビタミンKの注射を打ってもらいます。日本だと産後にシロップを毎日飲ませますが、こちらは出生直後の注射1回で完結です。

 

・産後1時間くらいして、分娩後の部屋にお祝い膳が運ばれてきました。なんともノルウェーらしいラインナップ。

日本のお祝い膳みたいな華やかさはなくても、産後に飲んだサフトと、ジャムをたっぷり塗って食べたサンドイッチはいままでノルウェーで食べた食事のなによりも美味しかったです。

ノルウェー式お祝い膳
赤いのはサフト(ジュース)。コーヒーも。

 

・入院中の食事は朝昼晩、産科病棟にある小さな食堂か、1階のビュッフェで食べることができます。わたしは管だらけでビュッフェに行けず、夫に病棟の食堂からプレートをとってきてもらったり、少し回復して来たらベビーも一緒に食堂で食べました。

冷蔵庫には何種類かの食事のプレートがあるので、好きなものを選んでレンジでチンします。個人的には思っていたより美味しくて、毎日違うものを食べれて満足でした。デザートもあります。パンやGrøtなども昼夜問わずいつでも食べることができます。

家族用の食事は有料なのでVippsで支払います。

食堂はこんなかんじ
プレートは何種類かから選べます
ワッフルの日もありました。うれしい


・赤ちゃんの検査以外はずっと母子同室。夜間もずっと一緒です。寝れる時に寝ましょう。

 

・検診のときから産後の授乳についての希望を助産師から聞かれますが、基本的には母乳育児を強く勧める文化かなと思います。産後の入院中もそんな雰囲気でした。

でも足りない場合はミルクを足すこともできます。

ミルクを足したい、授乳姿勢を見てほしい、搾乳機を使いたいなど、希望はどんどん助産師に伝えて良いと思います。

 

・病棟の枕がペラペラ!あるのかないのか分からないレベルなので、持参することをおすすめします。

 

・病室内や病院を歩きやすいように脱ぎ履きしやすい靴があるといいです。私はサンダルを持参しました。(滑りにくいものがいいと思います)

 

・退院するときは特にお会計などは必要なく、荷物をまとめて助産師に帰るねーと声をかければOK。車の場合はカーシートを忘れずに!病院の玄関まではコットにいれてガラガラ押していくのもOKです。

 

・産後すぐに助産師の家庭訪問があります。体重をはかったり、授乳指導、会陰切開の傷の確認などをしてもらいます。退院の際に、本来はEpikriseという分娩や産後の記録などが書かれた紙を発行してもらえるらしく、それを見せてほしいと言われたのですが手元になく。後々、Helsenorgeにアップロードされていました。退院のときに確認しておくべきかなと思います。

 

・ベビーの沐浴は病院ではせず、自宅で初めて入れました。沐浴の頻度は親が好きなようにしていいとのことでしたが、「日本では毎日入れるんだけど…」と家庭訪問してくれた助産師に言ったら「毎日は多すぎ」とのことで、我が家は週2〜3回入れることにしました。

日本より乾燥しているので、毎日入れるのは肌に良くないということです。

2日に1回、週1回くらい、2週間くらい入れないなど、人によりけりです。親の裁量に任されています。

 

産後2週間くらいで外出を勧められます。日本だと1ヶ月は家にいることを勧められることがほとんどだと思いますが、「外で少し体を動かす方が回復が早いよ、赤ちゃんには外の空気が良いよ」という考えなようです。

近所をベビーカーで散歩してコーヒーを飲んで帰るだけでも良い気分転換でした。

産後2週目の外出は近所のカフェまでゆっくり散歩
産後一か月くらいには近くの森のMarkastuaでお茶しました
我が子のOslomarkaデビュー

 

妊娠中・産後のトラブルなど

普段の体調不良では対応がのんびりすぎてキレそうになることも多々あるノルウェーの医療体制ですが、妊婦に対してはすごく迅速に対応してくれるなあと思いました。

妊婦だから、というより、この国の医療システムの仕組みとして当然と言えば当然。緊急性の高そうな事案に対してはしっかり優先順位をあげてくれます。

つわり・貧血・皮膚トラブルなどのマイナートラブルはFastlegeに相談し、自分で判断がつかないけれどFastlegeより早く対応してほしいことは産科に電話しました。

 

私の大きめのトラブルは

①妊娠後期に周産期心筋症疑いで救急車でLegevaktへ

②胎動が少ない気がして早朝Riksへ

③産後1週間で39度の熱が出てUllevålのERへ

の3つありました。いずれのケースもまずは産科に電話をかけて指示を仰ぎました

 

また、一度Fastlegeが夏休みのタイミングで風邪がつらくてDr,dropinに行きました。

思いのほか結構しっかり検査してくれて、妊婦にも大丈夫な薬をチョイスして処方箋を書いてくれました。お金はかかるけどプライベートはやっぱり早い&割と手厚くて助かります。

 

まとめ・これから出産される方へ

不安でいっぱいだった初めての妊娠・出産ですが、Fastlegeのドクター、helsestasjonの助産師さん、病院のドクターや助産師さんなどなど、今回の出産で出会った人たちにたくさんお世話になって無事に終えることができました。想像以上にみんな親切でした。

特に分娩のときに担当してくれた助産師さんたちには、難産だった私の分娩を全力でサポートしてくれて本当に感謝しています。私もベビーも一歩間違えれば危ないお産でしたが、安全に出産して無事に家に帰れたのは助産師さんたちのおかげだと思っています。

 

今回の妊娠出産を通しての学びは、自分でしっかり情報収集して、聞きたいことはたくさん聞いて、要望はなんでも言ってみるべきということですね。お産に限らずノルウェー生活あるあるですよね。

サービス精神旺盛(時には過剰?)な日本での暮らしに慣れるとなんでも受け身になりがちですが、ノルウェー暮らしは前のめりくらいが丁度いいです。我が子のことなら尚更。

 

長くなりましたが、

読んでくださっている方の中にはこれからオスロで出産する方もいらっしゃるのではと思います。

異国での出産はきっと不安なこともたくさんあると思いますが、お産は万国共通です!

無事に元気な赤ちゃんに出会えますように。